医師転職と熱意
こんにちは女性医局コーディネーターです。
このブログでは、会員の女性医師や医療機関の方と日々お会いする中での出来事をご紹介していきます。
Photo:I’d like to turn to the right, please By afflictedmonkey
いわゆる「就活」のような、「熱意アピール」とは全く無縁なイメージがある「医師の転職」…。
先日のご入職では、こんなことがありました。
内視鏡専門医をお持ちの40代後半の女性ドクターが勤務先をお探しで、紹介会社には<女性医局>が初めてのご登録というドクターでした。ご希望の内視鏡の非常勤のご紹介に向けて作業をしているところでしたが、勤務日数などのご希望と合った病棟管理のお話があり、ご相談してみたところ、ご興味を持たれたので、ご紹介させていただきました。
ご訪問先となった医療機関は、現状老健施設からの受け入れがマンパワー的に間に合っていない、という問題があり、徐々に医師の体制も再構築している最中で、9月から電子カルテ連動のオーダリングシステムを導入したり、と様々な改善をはかっている過渡期というご状況でした。
当日、女性ドクターとの面談に臨まれたのは、内科部長と事務部長のおふたりでしたが、ドクターに病棟勤務のブランクがあり、その不安をお互いに払しょくすべく、質問しながらの面接となりました…。
ここまではよくあるお話ですが、面接が進むにつれて、双方で「なんだかスムーズに進まないな…」という空気が流れてしまい…。実は今回ご紹介したドクター…何度かお会いしているコーディネーターには、お人柄もスキルも申し分ないことはわかっていたのですが、面接に際してのドクターのご対応が、あまりに落ち着いていて、本来の冷静なご性格とあいまって、語り口もいたってクールなため、初対面の医療機関側の印象として、「今回の仕事への熱意が伝わりにくい」という状況になってしまっていたのです。
結局そうなると、医療機関側からも、細かな職場状況の適応確認と許諾、さりげないスキルチェックを受けることになり、なかなか「核心をついた互いの合意点」にたどりつかない展開になっていました。
訪問後ドクターとお話しさせていただくと、やはり、実際の勤務現場の様子を見られたことで、ドクター側では勤務の志望度はさらに高まったご様子。コーディネーターからも改めて、研究日や福利厚生、退職金等の安定面を説明し「医師として今後のキャリアの方向性を決めるタイミングですよ」とアドバイスさせていただきました。ドクターからはお子さんが成長された後のライフビジョンも伺うことができ「近い将来、可能ならば常勤でも…」という可能性も見えてきました。
すぐさま、医療機関にメールを出し、「先生の本意として、外来業務に留まらず医師として再び臨床に携わっていきたい思いと高い志がある」こと、また今回の入職が「医局を離れて以来の復帰という戸惑いが、躊躇する印象を滲ませている」という点を書き加え「先生には『勤務したい』という意向が強くあります」との旨を伝えました。数日後、双方合意で無事勤務が確定致しました。
医師というお仕事柄、クールな印象を持たれがちな女性ドクターが多い中、今回は「本来の熱意が伝わらないもどかしさ」と同時に「本意を伝えるコーディネーターとしての熱意の大切さ」を痛感し、反省した一件でもありました。